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サクラマス
サクラマス サクラマスの名の由来は、 ちょうど桜が咲く頃に海から川に上ってくるからとも、 産卵期になると婚姻色で体の一部が美しいピンク色に染まるからともいう。 サクラマスという名に聞き覚えがなくても、 富山名産 「鱒(ます)のすし」 の材料であると言えば、 一度は食べたことがあるという方も多いのではないだろうか。
 サクラマスは、 秋、 湧水(ゆうすい)のある川底で産卵する。 卵から孵化した稚魚は小砂利の中で冬を越し、 春を迎えるころには、 全長約5センチになって活発に泳ぎ出す。 翌年の春、 魚体が全長15センチほどに成長したサクラマスは、 魚体が銀色に変化し (銀毛(ぎんけ)という)、 海に降る。 降海したサクラマスは、 北海道西部日本海やオホーツク海を1年間大回遊し、 全長50〜70センチ、 体重2〜5キロに成長し、 生まれた川に帰ってくる。 帰ってきたサクラマスは、 産卵期の秋までの半年間を流れの緩やかな淵(ふち)で身を潜め、 産卵に備える。 ちなみに、 サクラマスと呼ばれる魚の大部分は雌で、 雄の大部分が川で一生を過ごす。 川に残った雄と一部の雌こそ、 渓流の釣り師たちから 「渓流の女王」 と呼ばれるヤマメであることは意外と知られていない。 ヤマメは全長25センチ前後で、 サクラマスと比較するとかなり小型である。
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