21年8月3日アグネスは 青森県 小泊に行きました。

GPSの上下が逆で 見づらいですが、
室蘭から 恵山へ直進し、津軽海峡を横断して大間岬すれすれに通過した処です。
午前8時半。


海峡を渡る前、恵山を過ぎて 汐首岬の前では ヤマセと汐の流れが逆の為か、急に 大波の地域があって、、、波の山を登るのに、エンジンを全開しては、波の下りでは スローにして、船首が海面に刺さるのを抑える、、、、この動作を繰り返し、なんとか その海域を過ぎたところです。
条件の良い日でさえ、あれほど大波がでるのなら、荒天の時には どうなるのでしょう。
向こうが竜飛崎、テレビの釣り番組では このへんでマグロが跳ねているハズなんですが、
竜飛崎に到着、しばし、船を止めて 写真を撮ります。
竜飛崎を超えると、小泊は もうすぐです。空も明るくなり、 暑くなってきました。

竜飛崎を回ると マグロ漁をする漁船と その周りに赤いマグロボンデンが 多数浮かんでていて 危なくて走れません。ゆっくり 迂回しながら 進みます。午前11時 小泊岬に到着、、朝5時に 室蘭を出ましたので 6時間かかりりました。地図の上の赤い線が 行程です。ザッと 片道90マイル。 使った燃料が250リットルで燃料計(300)はゲージギリギリ 予備タン150リットル積んであって正解でした。
岬のまわりには、インターネットで見かけたボートが竿を振っています。皆 のんびり していて、何かを待っている様子。
1時間ほどして、遠くに鳥が集まり、水面がバシャバシャしてます。全速そして 静かーに惰性で 近づくと魚体は見えませんが、何か 大きな魚が 水面で動いています。(あとで聞くと4,5キロのワラサとか)
張り切って、ルアーを投げますが、反応無し。たちまち 消えてしまうので また ナブラを捜し 十数回 繰り返したでしょうか、 その後は ナブタタイムも終わり、魚タンで反応を捜しては ジギングを繰り返します。近くを 爆弾という大きな浮きでトローリングをする漁船が 走り回りますが、魚を揚げている様子は無く、今日は不猟のようです。
これはSgさんに撮影してもらった画像です。
午後4時、給油スタンドの閉店時間が近づきましたので、、、、釣果無しですが、港に入港します。仕事も終わりましたので、明日4日は 4時出港で室蘭へ 帰ります。(途中 釣りをするかも)。
海峡の波が悪ければ、函館に避難し、波が良ければ 室蘭に直行 4日午後 到着予定です。
漁港での給油風景(Sgさん撮影)
小さな漁港の防波堤に止めさせてもらいました。
近くの漁師さんに聞いたら、ここは誰も使わないから、係留しても良いと それは それは 親切に教えてくれました。秋田弁なのか、正確には 理解できませんでしたが、、、、
係留した場所の向かいはイソ船が並び、右側に食堂が見えます。
山の上には 温泉が在るそうです。ユックリ 温泉に入ってから 記念撮影
風呂あがりにSgさんと
ゆっくり風呂に入ってから、すぐ、漁港横のしゃれた食堂に行って、まずは生ビール そして 夕食です。

上は「磯や定食メバル」。下は「刺身盛り合わせ」で サザエの貝に、サザエやあわび、ウニなどが入っていて、めっぽう うまかったです。生ビールを2杯も飲んでしまい、海に落ちないように、ボートまで歩いて帰り、キャビンに倒れ込んだ後は 覚えていません。




8月4日 次の日  帰り道で 事件が

朝3時、キャビンの中で 目覚ましがなっています。さあ 出港準備です。
ポットにお湯を沸かして、カップヌードル、そして おにぎりを電子レンジで チン、
出港時には、周りも 明るくなり、漁師さんの後を付いて、○○漁港を出ます。
港を出ると レジャーボートが釣りをしています。タイ釣りですかー? と聞くと 「稚ダイでーす」と答えてくれました。
マグロを狙うボートは見えず、漁船も居ません。ナブラも反応も無く、これでは釣りになりません。
(3,4日は遊漁船、釣りボートは前線釣果ゼロの様でした。)

彼らもタイ釣りです
ふと 竜飛先の方角を見ると、一面真っ黒い雲がかかっており、今にも雨が振ってきそうです。

( この画像は、小泊沖で会話した上のボートの方が 撮影してメールで送ってくれたものです。)
昨日、風呂屋のテレビで見た 午後雨になるという予報が早まったと判断し、マグロをあきらめ、とにかく 急いで、怖い海峡を 渡ることにします。
竜飛崎を後ろに見る頃には、空もいくぶん明るくなり、今日は 潮目の大波もなく、快走します。
津軽海峡横断のコースも 帰りは大きく汐首を迂回したら、あの大波もありません。
沖から恵山岬に近づいて快走します。
意外に早く 恵山に着いたのと、クーラーの中に何も無いので、おみやげ代わりにホッケ釣りをして、50本ばかり釣りました。タラも2匹、、、、、。
さあ、後は 室蘭へ帰るだけと  恵山からの 走り慣れた航路を 意気揚々と  室蘭港へと走ります。






恵山岬を出て、多少 波のある中を しばらく走った頃、
運転手を交代し、 私がハンドルを握って、22ノットで快調に走っていたら、

突然 ガツンというすごい衝撃、流木にぶつかったな と直感し、すぐにストップ。
キャビンで横になっていた船長が、すぐ出てきて、マンホール窓からプロペラを見ようとハッチを開けたら、 水でイッパイです。しかも、中央の舵軸を固定する台座が割れて、前の方に崩れ傾いています。よく見ると、ハッチ内の白い船底中央に、青い船艇塗料を塗った舵板らしき鉄板が下から突き出ています。海水はどうやらそこから入ってきているようです。でも、舵区画は独立していて、前のエンジン室の方まで、海水が浸水する恐れの無いことが、わかってきて、やっと気持ちが落ち着きます。
シフトを前進に入れ、プロペラを回すと前進します。しかし、回転を上げると ガタガタ振動が出るので、プロペラシャフトも曲がって居るようです。しかも、ハンドルが回りません。船は右へ右へと曲がって行き、室蘭に向けれません。
なんとか自力で帰ろうと、考え、ポリタンクに水を入れて ロ−プで縛り 左側に流してクリ^−トに固定します。こうすれば、水の抵抗で曲がるはず。走って見ると、少しは 右に曲がりづらくなりましたが、まだ、不足。。。そこで もうひとつポリタンクを長いロープで流し、さらに、スパンカーの横ブームを利用して 外側に張り出しました。
これで、なんとか、まっすぐ走ります。しかし、さらに回転を上げると 右に曲がるし、振動も激しくなるので、これ以上の損害を避けて、時速4ノットから5ノットで走ります。時々、ボートフックでロープを外側につきだし、角度を調整します。
水を汲み出しながら、ノロノロ走って、 午後5時前に、やっと 絵鞆のホタテ網の前まで、到着し、懇意の漁師さんに頼んで、船外機ボートで来てもらい、、船首の向きを左に引いてもらいながら、ホタテ網をかわし、狭い港口をギリギリ抜けて、やっとエンルムマリーナまで到着、クレーンで上架しました。
上架してみたら、舵が曲がって、船底に突き刺さっていました。プロペラも大きく曲がり、回転すると シャフトも曲がっています。プロペラは何故か、逆向きに 後ろから前に 曲がっています。とすると先に舵に当たって、プロペラとの間に 何かが浮上してきたのか、、、、。????
今 思えば、船体に当たった時に出るゴンという音もしなかったし、、、、直接 舵に当たったのかな?、
舵の上部 先端が 船艇に突き刺さっていますが、暴食亜鉛のおかげで ここで止まっています。亜鉛が無ければ、まっ二つ だったかもしれません。今度はここの下に、厚い鉄板を張って置こうかな。
割れた舵台座をハズしてみると こんな感じです。舵軸下部は剥がれ、舵板が突き出ているのがわかります。
次の日、分解したら、舵、プロペラ、プロペラシャフト、舵テラー、油圧操舵機などを新品に取り替えなければならないことがわかりました。プロペラだけでも 75万 エッ 75万?、、、、、舵は?、、40万エッ エッ えっ 、、、、、、、、保険は効かないし、、、がっくり。
でも、荒天に、海峡の真ん中で起きなかっただけでも、ラッキーですよね。

それにしても55ミリのステン丸棒を これだけ曲げるとしたら、何がぶつかったのでしょう????

皆さんも、これを教訓に、スピードを出さず、良く前を見て走リましょう。
とは 言っても、今回のように、水面下の流木、潜水艦?は 避けようがありません。
遠くに出かけるときは、1隻では出かけず、仲間と一緒に、連絡を取りながら走りましょう。
そして、ポリタンクも忘れずに(笑)



後日談

8月3日に 一緒に飲んだシノさんが、
11日夕方 あの場所でマグロを釣りました。

船の上にも3年、、、、、マグロを初めて 3年目で やっと 釣り上げたそうです。 おめでとうございます。良かったね。
そのときのビデオが彼らのブログ の古いページに載っていたけど、まだあるかな?



後日後日談

おかげさまで修理完了しました。8月24日小型船舶検査機構による臨時検査2回目を受けて完了です。
大きな事故の場合とか、船体破損、シャフトを交換した場合は破損した状態をまず、検査を受けて、次に完了した状態で検査を受けます。今回は さらに6ヶ月後に また臨時検査を受けるよう指示されています。
今回の事故では、舵板の上部が船体底に突き刺さって、浸水し、さらに舵が動かなくなったので、その部分に厚いステン板を張りました。今度は ぶつかっても 突き刺さることは無いハズです。(笑)




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